21世紀に入り新たな時代への期待が高まる中、激動する世界の力学に揺さぶられる不確実な現代社会を反映して、表層的な豊かさとは裏腹に社会の幸福感は低下していると言われて久しい。
そのような中、最近の医療分野における議論では、技術革新はもとより経済基調や生活様式などの変遷の影響を受けて、財源論や倫理面までを含めた多様な論点が提示されるようになってきている。
これらを社会が適切に咀嚼していくには、世代を跨ぐ国民負担や診療機能の棲み分けのあり方、さらには医療の存在意義(価値評価)や関連産業の振興(財源創出)も視野に入れつつ、高所大局に立った論考が求められる。
このような背景を踏まえ、本機構は、医療の課題を幅広く論じるシンクタンク機能を目指し、各専門領域の有識者が自由闊達に討議を行う場を提供することを目的とする。